子宮腺筋症の原因と症状,気になる妊娠への影響と治療法
婦人病として「子宮筋腫」「子宮内膜症」はよく耳にする事があるかと思います。
今回は、「子宮筋腫」「子宮内膜症」と特徴が類似している「子宮腺筋症」について、私の経験を含めて、原因と症状、不妊への影響や治療法等についてまとめてみました。
子宮腺筋症とは
子宮腺筋症とは何らかの原因で子宮筋肉層内に子宮内膜細胞に似た組織が入り込み、増殖する病気です。
子宮内膜は、子宮の一番内側にある組織で、女性ホルモンの刺激を受けて増殖して厚みを増し、赤ちゃんを迎える準備をします。しかし、妊娠が成立しないと、排卵後約14日頃に内膜が剥がれ落ち血液と一緒に経血として体外に排出されます。その後、再び子宮内膜が増殖し、赤ちゃんを迎える環境準備に入るといったサークルで、子宮内膜は増殖、剥離を繰り返しています。その為、病気が進行すると至急筋肉層が厚くなり、子宮が大きくなります。
子宮腺筋症になりやすい体質
子宮腺筋症は最近になって増えているといわれており、生活環境や食生活等が影響している可能性が示唆されており、体質や遺伝ではないといわれています。私は4人姉妹ですが、私と同じように子宮腺筋症、内膜症、筋腫がある姉妹は居ませんし、母や叔母にもいませんので、遺伝ではないと言う説は確かな情報なのかもしれません。
子宮腺筋症の原因と症状
子宮内膜症になる理由は未だに明らかになっておりませんが、正常な子宮内膜が何らかの原因で子宮の筋肉の中に潜り込んで発症するという説もあります。
子宮腺筋症の症状のうち、最も多く見られるのは「過多月経」と「生理痛」です。子宮腺筋症が進行すればするほど、子宮が大きくなるため、生理の時の出血量が増え、貧血になりやすくなります。
「生理痛」は子宮内膜症より強く、「過多月経」は子宮筋腫よりも重症といわれています。また、病気が進行すると子宮筋肉層が厚くなり、子宮が大きくなりますので、膀胱、腸などの周囲の臓器や神経を圧迫する為、生理の時以外でもお腹に痛みを感じるようになります。
私も「過多月経」が重症化し、仕事や日常生活に支障が出るほどでした。多い日の夜用のナプキンを日中仕様していても、症状が進行していた時には10分ももちませんでした。仕事中、10分毎にトイレに行くことは難しいため、特に出血量の多い生理2日目は仕事を休んだりして対応するしかありませんでした。また。生理痛も強く常に痛み止めを飲んでいましたし、生理時以外でも子宮付近が痛い日がありました。
子宮腺筋症の治療法とは
子宮腺筋症の治療には、薬物療法と手術療法があります。
私が受けた治療は手術療法です。子宮腺筋症を根本的に治す為には子宮の全摘出しかないといわれていますが、私の様に妊娠・出産を希望する場合は、病巣のみを切除し、子宮を残す子宮腺筋症核出術が選択されることがあります。子宮腺筋症核出術では子宮腺筋症の病巣と子宮内膜のさかえは明確ではないため、病巣を100%取り除くことは不可能であるため、再発の可能性があるといえます。
子宮腺筋症核出術を受けることで、妊娠・出産の可能性は残されますが、切除する面積が大きくなると、妊娠したときに病巣を切除した部分が薄くなり、子宮破裂を起こすリスクが高くなる可能で紙があります。その為、多くの病院では管理入院、帝王切開(36週)が勧めたれることが多いといえます。
私は、妊娠30週から管理入院し、妊娠35週で子宮が2mmまで薄くなったため、36週を待たずに帝王切開によって出産しました。
まとめ
子宮腺筋症は子宮筋肉層内に子宮内膜細胞に似た組織が入り込み、増殖する病気です。子宮腺筋症の組織は、正常な子宮内膜と同じように子宮筋肉層内で周期的に増殖し出血し、病気が進行すると子宮筋肉層が厚くなり、子宮が大きくなります。
病気が進行すると、「過多月経」や「生理痛」といった症状が出て、生活に支障が出る場合もありますので、できるだけ早く、婦人科での健診を行い治療を進めることをお薦めします。